のんびり鉄道紀行

カメラを持ってふらふら鉄道旅をした記録を綴っています

石巻線の旅 ~石巻駅編~




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東北を訪れたのは6年ぶりの歳月が過ぎていた。


震災があって1年半後、高校卒業を目前に控えた頃、画面を通してではなく自分の目でその状況を見てみたいという事がキッカケで「東北ボランティア バスツアー」に参加したのが筆者が始めて東北を訪れた日。

あれから何年も時間が経ち、テレビでさえ放送される回数も減り「あの街はどうなっているのだろう」と今度は自分1人の力で東北へ訪れてみた。





仙台まで新幹線を乗り、仙台東北ライン経由で始めて降り立った駅は石巻駅。
石巻サイボーグ009キカイダーなどで知られるSF漫画家 石ノ森章太郎氏のゆかりの地として知られ、町全体を通してキャラクターのモニュメントが多く設置されたいる。


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外へ出てみると早速仮面ライダー1号と009の人形がお出迎えしてくれた。
石巻はこうして通称ヒーローが守る駅と呼ばれているのだ。

駅からは、記念館である「石ノ森萬画館」までの道筋は「いしのまきマンガロード」とまで名付けられている。

張り詰めた思いを胸に訪れてみただけにキャラクターで賑わいを見せる街に少し拍子抜けをしてしまったが これはこれで旅の始まりとしては面白い。
他にもモニュメントは無いか 駅をぐるっと見渡そうと試みるが、そんな探索も必要が無いと言わんばかりにキャラクターの人形で溢れていた。



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キャラクターで賑わいを見せる街という事は分かったので 今度は町全体を散策してみる。
昔読んだ鉄道の本では商店街などが並び、散歩をするには困らない と認識をしていたが、歩いても歩いてもその商店街は姿を現さない。

駅から数メートル離れた場所で低い建物や民家などが数件あるのみでどことなく寂しい風景だ。
写真で見たアーケードの屋根すらも消し、大きなイオンがあるのみとなっている。

後ほど調べたところによると 陸前高田地区には及ばないが、町全体は津波により建物の半分まで水で埋め尽くされ、他の建築物も地震の影響で撤去してしまった物も多かったそうだ。
まさか、これ程まで姿を変えるとは。。。



1時間余裕を見ていただけにぐるっと周辺を歩いたのみで結局15分ほどで駅へ戻ってしまった。

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次の列車が来るまでの時間をマンガカフェ「えき」で過ごす。


店内は洒落たカップや手作りのお菓子、ケーキなどが陳列されている。この日は女性の店員さん3名で営業されていた。
メニューを見ると石巻ブレンドや伊達ブレンドからグアテマラなど有名豆を焙煎した珈琲などがある。

筆者は石巻ブレンドを注文。
口に注ぐと酸味が利いたすっきりとした味わいだ。
「えき」は構内と隣接もしているので ギリギリまでゆっくりくつろぐ事もできる。



ふと、駅の方の窓へ目をやるとキカイダーなどが書かれた石がその姿を覗かせた。

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楽しいキャラクターのモニュメントで賑わっている様にも見えるが想像していたより震災の影響は街に大きく響いている。
石ノ森章太郎氏も復興への想いを綴った垂れ幕がイオンに提げられていた。

この先は更に海沿いへと移動を進めていく。
改めて気持ちを引き締め筆者、列車に乗り込んだ。