のんびり鉄道紀行

カメラを持ってふらふら鉄道旅をした記録を綴っています

東武亀戸線の旅 ~小村井駅編~


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小型な東武鉄道8000系は都内を走るにはまったり過ぎるほどの空気感を醸し出している。

この8000系は、1963年に製造され もうすぐ60年選手にもなる。改良を重ねられも尚活躍する車両は私鉄の103系と評されていたりもする歴史のある鉄道だ。
その車体の小ささゆえに整備が追い付いておらず、塗装の剥がれ落ちや錆が目についたり 元々備わっているのが簡易な走行装置なので、ブレーキ機能上昇のために独特な匂い「東武臭」などが出現するので欠点も多い。

しかし、色落ちと無縁の最新設備を積んだステンレス車体が増えていく中で やはり8000系は貴重な存在であり、その劣る点すら可愛らしく見えてしまうものだ。
どうもこの鉄道が東武亀戸線を走る事は必然であったくらいマッチした ホームに停車している光景を惚れ惚れと眺めていた。



乗車時間わずか4分。
筆者は、小村井駅で下車した。
町工場がいくつか建っているのみの何の変哲も無い住宅街だが 亀戸だけのカメの形をした美味しいパン屋があるという風の噂で耳にしたのでせっかくなので探索に行くことにする。
駅を降りると 店らしいものはなく、国道の大きい通りに踏切がただただ鳴り響いているのみである。
どこか不思議とノスタルジーな気持ちになるのなぜだろう。

道なりを数分歩いても たまに小さな飲食店がちらつくのみでそれらしい店は一向に見つからない。
逆の道に行ってみたり、地図標識を眺めてみたりもするがたどり着かない。
さて、、、どうするか。
迷っている間に遭遇した警官に道を聞いてみようかとも試みるが、彼はキリっとした表情で交通違反を取り締まるのに必死そうだ。うん、、、とてもではないがチキンの筆者には到底尋ねられる訳がない。
あまり旅で電子機器の力を借りるのは気が引けるが  今回は警官の顔が怖かったのだから例外だ、、、。


スマホの地図を確認すると、途中で路地裏に入るらしい。どおりで道なりを歩き続けても着かないわけだ。
説明されるとおりの道を行き、角を曲がると小さな商店街が現れる。
整骨院や美容室などがぽつぽつと静かに並でいる中に 一軒だけ店の前にちょっとした女性の人だかりが出来た場所があった。
真上の看板を見上げると「かめパン」と木地に大きく太字でハッキリと書いてある。


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店内に入ると色とりどりに並べられたパンから香ばしい匂いがふんわりと漂う。
名物はかめパンだが、地元の主婦や子供たちが喜ぶようなラインナップがズラリと陳列されている様だ。
クリームパンやチョココロネ。チーズを使った創作系があると思えば、逆にあんぱんマンの形をしたパンがあったり。バライティに含んだ内容で見ているだけでも飽きが来ない。
店内の奥に進んでいくと 噂の大ボスの「かめパン」のご登場だ。
一つ一つ表情が違うという手作り感満載の外見に思わず胸を高鳴らせ トレーに入れてしまう。
筆者はその他にも、あんぱんマンパンとチョココロネを乗せレジに向かった。先に言っておくが甘党かよ というツッコミはご遠慮願いたい。。。



さて、どこで食べるかが問題なのだが 辺りを見渡しても公園らしい場所も無く、とりあえず再び亀戸線に乗り北千住へと出た。
北千住の駅は、北口改札を出ると大きな歩道橋があり そこには椅子が数個並んでいるのだ。
本日は、気温も春並みと温かいので 日に当たりながらのんびりと頂くことにする。



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あまりにもキュートな外見にかじるのを少々躊躇ってしまうが、、、、、パクリ。

かめパンは、ミニメロンパンの様な味だ。サクサクとした触感のなかにも ふわふわとした生地が心地いい。
他のチョココロネとアンパンまんパンも濃厚なチョコレイトが懐かしさを引き出す味となっている。
どれも子供の時に母親に連れられて行った近所のパン屋さんといった感じである。


一口食べるごとに、春の風にあたりながら 決してお金はかかっていないが贅沢な癒しの時を過ごした。