のんびり鉄道紀行

カメラを持ってふらふら鉄道旅をした記録を綴っています

沖縄県 ゆいレールの旅


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モノレールは電車の仲間である。

その事を筆者が知ったのは恥ずかしい話、つい最近のことであり それからモノレールに対する見方が変わった様な気がする。
あのモノレール独特の特徴でもある一本のレールをヌメっとした走行がどうも苦手であり、避ける傾向があった私が自分の意思で「このモノレールには乗ってもいいかな」と興味をそそられたのが 沖縄県ゆいレールである。


理由としては2つ。ゆいレールには、日本最南端の駅と日本最西端の駅の両方が存在する。
そして面白い事に この2駅は同士なのだ。

以前、和歌山を旅したときに本州最南端の駅である串本を旅するのに 壮絶な苦労したというのに こんなにも手軽に制覇できるとは、、、複雑な気持ちではあったが これは是非乗車しなれけば。
半分、使命感の様なものに駆られながら 沖縄那覇空港駅の始発駅は向かった。






ガラスに覆われた洗練された建築物。モノレールの駅はどれも近未来的だが どこか懐かしい沖縄らしさが残る駅舎である。



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改札へと足を進めると、すぐさま目的のものが姿を現す。
そう。日本最西端の駅は この那覇空港駅だったのだ。まだモノレール本体すらも見ていないが 1つ目の駅を制覇する。何とも不思議な気持ちである。。。



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ゆいレールがやつて来た。
白をベースに黒と赤でカラーリングされた車体は中々格好がいい。
ゆりかもめの様に窓は大きいものでは無いが 細かい感覚で配置されているので景色は途切れながらだが全体を見れるようになっている。


この日は1月年明け真っ盛りの観光シーズンだった事もあるか車内は混み合っていた。
人と人の隙間から顔を出し、やっとの思いで窓の方へ顔を向けると 空が当たり一面に広がり、下には四角いシンプルなコンクリートの建物がズラッと並んでいる。沖縄の建物はほとんど低いものばかりなので これはこれで絶景な景色である。




終点の首里に向けてモノレールは徐々に高台へ登っていく。
そうすると 今まで建物で隠れていた海も姿を現し、今まで通ってきた町並み全体が見下ろせる様になるのだ。
このため、 もし上りから ゆいレールに乗るのであけば車両2両目1番後ろを強くオススメしたい。





終点首里駅に到着し、その後 国際道りが面する県庁前駅と途中下車をしてフラフラと散歩をしてみるが 中々面白かったのが国際道りの牧志駅付近に立っている「国際通り屋台村」。

ここでは沖縄の名物料理を中心とした料理から泡盛オリオンビールという特産の酒まで リーズナブルな金額の飲み食いすることが出来る。


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筆者は上の画像の店で泡盛の古酒(クーシュ)。プチプチとした弾ける食管が癖になる海ぶどう。落花生をベースにもっちりとした味わいのジーマミ豆腐。ゴーヤの代わりに くるま麩で炒められた ふーちゃんぷるを頂いた。

青空の下の元でBGMである沖縄民謡を耳にしながら酒を飲めるなんて この上ない贅沢である。
変にどこかへと観光するよりも ここで酒とツマミを頬張っている方が少なくとも筆者は沖縄感を満喫できるのではないだろうか。




上機嫌で駅へ戻ると最後の目的の場所へと向かう。


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日本最南端である赤嶺駅の石碑。
元々下車する観光客も少ないながらにも ひっそりと立っている。

余談だが元々沖縄には戦前に沖縄営鉄道という立派な鉄道があったのだ。
それが気候の問題、アメリカ軍政下の意見やマイカーが発達など時代の背景からその復活は果たされず ゆいレールが出来るまでは鹿児島の指宿枕崎線の西大山駅が日本最南端駅であった。


確かに沖縄空港駅の石碑と比べれば、誰も写真を撮る者はいないが 取り戻したかと言わんばかりに力強く刻まれた文字がずっとその場に立ってみていたい気持ちを掻き立たされる。




ちなみに駅から降りなくても写真が撮れる様に構内には 最南端の証明書をぶら下げた駅員のパネルが立っているので撮影することも出来る。

だが、時間があるのであれば 是非駅を降りて石碑を見に行ってみた方がいい。
薄っぺらい紙やパネルよりも重く深く刻まれた石碑を目にすることで ゆいレールに乗ってよかったと言う気持ちを改めて倍増できるはずだ。